『アトピーの湿疹が出る部位』と『解剖学的位置』の関係

『アトピーの湿疹が出る部位』と『解剖学的位置』の関係

2015年10月01日(木)11:30 AM

こんにちは。
皮膚科医 山本綾子です。

 

このサイトでは、ブログ形式で様々なテーマを織り交ぜながら、

皆さんに根治に役立つ知識をお伝えしています。

 

山本綾子の治療に深く関わる内容が多くなりますので、ご関心のある方は、

ぜひお読みいただき、私の治療方針や「アトピー発症機序理論」への理解

を少しでも深めていただければと思います。

 

 

さて今日は、「『アトピーの湿疹が出る部位』と『解剖学的位置』の関係」

というお話です。少し難しく感じるかもしれませんが、できるだけ分かりやすく

(専門用語は極力使わずに)お話したいと思います。

 

 

私は以前の大学でのアトピー班で、当時お世話になっていた教授の診察の

お手伝いをしていた頃、患者さんの症状を診る際、必ず皮膚症状を人形図

(人間をかたどった塗り絵図)に色を塗って記録していたことがあります。

 

例えば、”ざらつき”がひどい部位には濃い赤、”かさつき”部位にはうすい赤、

乾燥のないしっとりした部位には青、と何百人、何千人もの患者さんの皮膚を

触りながら、紙に記録するのです。

 

 

単純な作業のようですが、これがとても私にとって大きな経験となり、そして、

たくさんの患者さんの皮膚症状を記録してゆくうちに発見したことがありました。

 

それは、どんなに症状が軽い人でも、どんなに症状が重い人でも、最初に

湿疹が出る部位は皆、同じである、ということでした。

 

症状はひとそれぞれなのに、いつも同じ部位から湿疹が始まる。

そして、同じ順番で範囲が広がり悪化してゆく。

これはいったい何を意味するのでしょうか?

 

患者さんが違っても同じ部位にできるということは、「解剖学的」に湿疹が

できる部位が説明できるに違いない、と漠然と推測するところからスタート

したのです。ただ当初はその部位の意味がなかなか理解できないまま、その

法則を見つけようと来る日も来る日も患者さんの皮膚を見続けました。

 

 

これは過去のお話なのですが、この長年の経験を積み重ねた結果、今現在の

診察では、湿疹を見ると、自然にまず頭の中に解剖図が描かれるようになりました。

 

そして例えば、

「○○筋の部位だから、日常生活で××に気をつけてね」

と”一瞬で”注意すべき点が思い浮かびます。

 

しかし当時は、本当に頭の中に「???」が毎日浮かんでいるような状況でした。

 

この知識と判断力は、一朝一夕では身に付くものではなく、当時の経験と、

それを基にした臨床の場での医師としての長年の研究の積み重ねの結果になると

考えています。

 

 

ところで、世の中にはさまざまなアトピー治療法なるものが存在しています。

標準治療とされるステロイド治療、さらには民間療法や、噂や経験レベルで

良い(悪い)とされるものなど様々ありますが、「どうしてその部位に湿疹が出るか」

を的確(医学解剖学的)に、万人が納得いくように説明できているものは今まで

あったでしょうか?


例えば・・・

 

  • どうして太ももは内側でなく外側に出るの?
  • どうして頭は真ん中より生え際に出るの?
  • どうして顔は真ん中よりあごラインにでるの?


皆さん、これらについて疑問に思ったことってありませんか?

 

私も当時、アトピー患者さんを毎日見ていて不思議だとずっと思っていました。

しかも先輩医師に聞いても、納得する答えはなかなか得られないのです。

 

 

でも、こんなに規則性があるのだから、絶対なんらかの法則があるに違いない。

そう考え、長年の研究の結果、その法則をついに見つけ出しました。

 

 

それをまとめたものが『山本綾子 アトピー発症機序理論』を活用した治療法です。

 

その法則さえ理解してしまえば、その法則に従って湿疹を治すことだって

可能になるのです。




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