【夏のアトピー対策】 顔の湿疹は、ココにご注意!
こんにちは。
皮膚科医 山本綾子です。
暑い日が続きますが、
皆さんの皮膚の調子はどうでしょうか?
中には、暑くて外に出られず、
ほとんど歩かなくなって、
悪化したという方もいるかもしれませんね。
実は外来では、暑くなってから、
特に顔が悪化したという方が
「先生、どうしたらいいですか」と、
必死な様子で受診にいらっしゃることがあります。
このような場合、
いつも患者さんにお話するのは、
「どうして顔ばかりが
真っ赤になったかを考えてみて」
ということ。
さてさて、皆さん、分かりますか?
本来、重力に従って、
下方に溜まりがちになるはずの血液が、
上方に溜まってしまうのは、
下方に血液を流すパワーが足りないため。
私の受診を受けたことがある方には、
すぐにピンと来た方もいらっしゃるのでは?
そうです、歩き方がおかしかったり、
歩いていなかったりするためですね。
さらに、今のような時期での問題は、
どんなに正しい歩き方を知っていても、
暑くて外に出られないときはどうすべきか、
という点です。
(熱中症になっても困りますからね)
ここで一つ参考になるお話があります。
以前、アトピー外来通院中の妊娠中の女性が、
産婦人科医からお腹の赤ちゃんのために、
ベッド上安静を指示されたことがありました。
入院して、ずっと歩くことなく
安静にしていたところ、
ステロイドを塗ってはいたものの、
湿疹により顔が真っ赤になってしまい、
困り果てて私に相談に来てくれました。
このとき、私のアドバイスは、
「歩く」代わりに、
「歩く」ときに使う筋肉を
同じように使うこと。
「アトピー発症機序理論」を理解していると、
血流を増やすためには、とくにどの部位を
動かすことが大切なのかがわかります。
その考え方に沿って、ベッドの上で
安静にしていてもできる、
いくつかの対応方法を指導しました。
その結果、どうなったと思いますか?
お見舞いに来るご家族がびっくりするくらい、
顔の赤みが引いて、きれいになったそうです。
アトピーがきれいになった後、
無事に元気な赤ちゃんを出産されました。
暑くて外で歩けない場合や、
怪我で歩けない場合でも、
アトピー発症機序理論に沿って考えれば、
色々とアレンジした運動療法もご提案できます。
本当にアトピー卒業を望むならば、
是非、真の根本的治療を目指してくださいね。
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